teresuwatebesu's blog

ときどき宇宙のことを考えるといいらしい

ハンディキャップ

ほんの小さな不可能が私を駄目にする。

たとえばそれは、五年続けてるギターの弦がいまだに上手く押さえられない指があること。
たとえばそれは、緊張したときに、心臓がバクバクなって、身体全体がその震えに支配されて、誰が見てもわかるくらいに赤面すること。


体の作りや身長、体重、ひとから見ればたいしたことのない特殊な病気。

運命と呼ぶにはあまりにも小さすぎる変更不可能な決まりごと。

それらが引け目となって、私が私をありのままの姿でいることを許さなくなる。


不幸はわかりやすいから、いい。受け入れてくれる人たちがどこにでも、たくさん、いる。

でも、不運は違う。同情をひけない。それのせいにすることを努力が足りないからだとか、本人にも問題がある、とか。

どうしてそこまで言われなくちゃいけないの?っていうほど冷たい言葉で返される。まるで自分のことを悪く言われたみたいに。



神様はどうして、私の精神と、この身体をセットにしたのだろう。

私は恵まれているほうだと思う。家庭環境も、身体のことだって。

自分でいうのもなんだけど、顔も悪くないし、身長も体重も平均的だ。

それなのに私は、この性格のせいで損をしてきた。

私は私がこの性格じゃなかったら、もっといい生活を送れていたと思うし、自分のことを今よりは好きでいられたと思う。

本当にどうしてだろう。どうして神様はこんな意地悪をしたのだろう。肉体が可哀想。


私は性格が悪い。
すぐに人の粗が目についてしまう。
人のいい人が見せる優しさにさえ。
そんな自分はもっと嫌。そうやって自己嫌悪してる自分は憎らしいほど嫌い。


だけどそんな私にひとつ言い訳をさせてもらえるならそうしたい。

私がどうしてこんなふうになってしまったのか。

私は悪の気持ちが少しだけわかるような気がする。


悪役がなぜそうなってしまったのかは描かれない世界。
悪に心はないのが世の常。

架空の物語ならばそれはそれで仕方のないことかもしれない。

だけど、私は、生きてる。派手な悪事を働くわけじゃないけど。確実に私は誰かを殺せるだけの真っ黒な心を持っていて、それを周囲に撒き散らして、少しずつ、少しずつ、毒を盛っている。

だけどそれにだって理由はあるのだ。
動機は?と詰問されて釈然としない返答のなかにも、隠れた理由が存在する場合もあるってこと。


汲み取ってほしいなんて言わない。


ただ、こんな不幸のかたちもあることを誰かに伝えたかったのかもしれない。