teresuwatebesu's blog

ときどき宇宙のことを考えるといいらしい

虚しい人生はいいが虚しいひとにはなるな

彼はいつも必要なときに必要なぶんだけ相手に微笑み返しました

周りのひとびとは、彼は笑顔の絶えないひとだ、こころのきれいなひとなんだろうと噂しました


彼は、誰の目にもしあわせそうに映りました

しあわせをもたらしてくれる彼がしあわせでないはずがない、と誰もがかんがえました





彼は知っていました


言葉にするまえから

わかっていました



誰も信じてはくれないこと


誰も耳を傾けてはくれないこと


誰も傷つきたくはないこと


誰も僕を僕として見てはくれないこと



それらのことを憎むではなく、ぼうぜんとおもっていました


ひとりきりの小部屋の中

だれもいない夜空の星屑を窓辺で眺めながら


もうすこしで消えてしまいそうな

線香花火を見つめるときのような侘しい顔をして微笑を浮かべて


ほんのすこしの涙をながしていました



真っ黒な空では、流れ星が最期の輝きを

精いっぱい放ちながら

落ちていきました




朝、

朝になると彼は街へはたらきに出掛けます


小部屋には

しっかりと鍵をかけて






そんな彼のことを知っているのは


じごくを統べる、かみさまだけでした